機械やロボットの故障やトラブルは、現場の稼働を一時的に止めるだけでなく、業務全体の効率を大きく低下させる原因となります。特に物流現場や製造現場では、作業の遅延や人的ミスの増加につながり、全体の生産性に大きな影響を与えます。そこで不可欠となるのが、単なる修理対応に留まらない包括的な保守サポートです。
保守サポートは、ハードウェアの点検や修理だけでなく、ソフトウェアの更新、動作設定の最適化、現場運用の改善提案など幅広い内容をカバーします。これにより、現場で導入された機械やロボットを安定して稼働させることができ、業務効率の低下を未然に防ぐことが可能となります。特に、自律走行型ロボット(AMR)の導入現場では、保守サポートの有無や質が業務効率に直結するため、その重要性は非常に高いと言えます。
センサーやカメラ、SLAM(自己位置推定)技術を活用して、自ら現場のマップを認識しながら最適なルートを判断し、効率的に走行するロボットです。AMRは人手による搬送作業を補助するだけでなく、複雑な倉庫内の動線や作業環境に柔軟に対応することができる高度な自動化ツールとして注目されています。ーAMRの詳細についてはこちら
AMR導入の第一歩は、現場環境を正確に把握し、最適なルートや動作条件を設計することです。保守サービスの範囲には、現場マッピング、ルート設定、動線シミュレーション、稼働テストなどが含まれます。これらにより、AMRをスムーズに稼働させるための基盤が整えられます。加えて、現場スタッフへの操作教育も導入準備段階で実施されます。正しい操作手順や安全上の注意点を理解することで、運用初期に起こりがちなトラブルを大幅に減らすことが可能となり、導入初日から安定した稼働を実現できます。また、導入前のシミュレーションやテスト走行を通じて、現場特有の障害物や通路幅の制約を確認し、問題発生リスクを最小限に抑えることもできます。
導入後は、AMRを安定的に稼働させるために、日常的なモニタリングと定期的なメンテナンスが欠かせません。日々のモニタリングでは、バッテリー残量、センサー精度、タイヤや機構部品の摩耗状態などをチェックし、小さな不具合を早期に発見することが重要です。加えて、ソフトウェアの更新やルート最適化を定期的に行うことで、現場環境や作業条件の変化に柔軟に対応できます。もし障害が発生した場合でも、リモートサポートや現場駆けつけによる迅速な修理対応が可能であり、稼働停止のリスクを最小限に抑えることができます。こうした運用中のサポートにより、現場の安定稼働が維持され、物流効率や作業精度も向上します。
AMRは長期間にわたって使用されることが多いため、契約更新や機種入替のタイミングでの保守サポートも非常に重要です。契約更新時には、稼働状況や台数の変化に応じてサポート内容を見直すことができます。さらに、ソフトウェアのアップデートや機能追加が継続的に提供されることで、最新の運用効率を維持可能です。新たな作業工程や他の物流システムとの連携が必要となった場合でも、保守サービスを通じて柔軟に対応できる点が、長期運用における安心材料となります。
シリウスの「RaaS」は、包括的な保守サービスを提供しています。このモデルでは、月額定額の料金(月額6万円台〜)の中に、AMRの導入支援、ソフト/ハード・クラウドのアップデート、メンテナンス、台数調整などがすべて含まれています。
導入前の段階では、現状の業務のヒアリングから始まり、業務改善につながる導入戦略を共に設計・構築していくコンサルティングサービスも含まれております。 また、シリウスではお客様と導入前にSLA(サービスレベル契約)を交わしておりますので、サービスの品質やレベルに関してご安心してご利用いただけます。
お客様との窓口対応は、電子メール、電話等でお客様に対して技術サポートを提供し、24時間以内(営業日の場合に限り)に対応しております。
トラブルや故障が発生した場合、当社所属の専門のエンジニアが優先的に遠隔分析をし、状況によって現場に派遣し、復旧作業を行います。導入の段階で現地には予備機を設置しておりますので、仮にトラブルや故障が発生した場合でも、現場オペレーションを止める必要がない仕組みを構築しております。
本記事では、AMR導入検討の際に、ネックとなる保守サポートについて解説いたしました。
安定した稼働と効率的な運用を実現するために、一貫した保守サポートは効率的な現場運用と安定した自動化の実現に直結します。保守サポート体制を整えることで、AMR活用の効果を確実に高めることができます。